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MARKET UPDATE

ハワイ不動産ニュース(2019.03.11)

アメリカ

2019.03.11

※本記事はハワイ・ホノルルの不動産業者であるHawaii 5-0 Properties様より提供いただきました。

2018年のオアフ島では、販売戸数は減少だが、価格は上昇

ホノルルリアルター協会 (HBR) は、2018年12月のオアフ島の既存住宅販売は、戸建ての中間価格 (Median Sales Price) が5%上昇して788,000ドルになり、販売戸数は昨年同月比で28%減少したと発表しました。
12月の戸建ての販売戸数は259戸と、2017年12月の361戸から28.3%減少しました。既存住宅の中間価格は788,000ドルとなり、2017年12月の750,000ドルから5.1%上昇しました。コンドミニアムの販売も同様に減少し、販売戸数は440ユニットと2017年12月の461ユニットから4.6%減少しました。中間価格は398,500ドルとなり、2017年同月比で1.6%下がりました。
物件が市場に出てから成約するまでの日数を示すDOMは、戸建てが12月は30日と2017年の20日から延びており、コンドミニアムも同様に18日から25日へと延びています。マーケットがスローダウンしているように見えますが、米国全体で比較すると1ヶ月以内での成約は極めて早い水準です。
販売可能な物件数 (在庫数) は、2018年12月は戸建てが2.8ヶ月分となり、2017年12月の2.1ヶ月分から33.3%増加しており、コンドミニアムも同様に2.3ヶ月分から2.9ヶ月分へと26.1%増えています。
中間販売価格を左右する成約価格は、戸建てがリスティング価格(=売主が提示する売出し価格)の98.6%、コンドミニアムが99.6%と、それぞれ2017年12月よりも1.2%、2.0%上昇しました。2018年通年として、物件の販売戸数はともに減少しました。戸建ての販売戸数は2017年が3,908戸、2018年は3,609戸で7.7%の減少、コンドミニアムは2018年が5,679ユニット、2017年が5,824ユニットで2.5%減少しました。しかし中間価格は、戸建てが755,000ドルから790,000ドルへと4.6%上昇し、コンドミニアムも405,000ドルから420,000ドルへと3.7%上昇し、戸建てとコンドミニアムの両方で価格が上昇しました。

11月のペンディングホームセールス・インデックスは0.7%減少

全米リアルター協会(NAR)は、全米の既存住宅販売の先行指数を表すペンディングホームセールス・インデックス(PHSI)の昨年11月の状況について、米国北東部と西部とで若干上昇したと発表しました。
PHSIは契約が成約した状況を表す指数で、全米では前月より0.7%減少して101.4ポイントで、10月は102.1でした。2018年通年では11ヶ月連続して減少しており、昨年対比では7.7%減少しました。
NARのチーフエコノミスト、Dr.ローレンス・ユン氏によると、現在のPHSIの状況は市場動向を正確に反映していないとして、「現在の成約指数は、モーゲージ(住宅ローン)利率などの上昇により、一時的にバイヤーがサイドラインに退いた状況で様子を見ているもの」と述べています。

さらにユン氏は、「このPHSI指数は2014年以降最低値を示してはいるが、大げさにリセッションでは?と疑うような理由は現時点では何もない」として、長期的にはまだまだ成長する余地があると指摘しています。
全米の4地区すべてにおいて、昨年同月対比では減少しており、「西地区では若干伸びている地域もあるが、全体的には適正ではない状況により、大きな減少を示している」とユン氏は述べています。
続けてユン氏は、「適正ではない状況とは、西地区などでは住宅価格の継続した上昇、販売可能な物件数 (在庫数) の少なさ、FRB (米連邦準備制度理事会) による、短期間での度重なる利率の上昇などが重なったことによる」としています。また、「土地の価格が上がり、地方自治体ではゾーニング(空間の用途別利用)などの規制や許認可の煩雑さのため、デベロッパーが思うように新規着工できずにいることなどがあるため、地方自治体ではそれらの緩和、簡素化などで物件数を増やしていくような工夫が必要だろう。そうしなければ、マイホーム購入ができない取得者層などは、住宅価格が安い場所へ移り住むようなことも出てくるだろう」と指摘しています。
さらに、現在の連邦政府のシャットダウン(閉鎖)による影響は、住宅市場にも出始めています。大きな理由の1つは、洪水や水害などの保険(flood insurance) が閉鎖中には取得できないためで、「このまま閉鎖が続けば、毎月4万戸の住宅販売の機会が失われることになるだけでなく、景気も鈍化していく」と述べています。
ユン氏によると、今後の既存住宅市場は、長期に渡り明るい兆候が見られるとして、「2018年の年間販売戸数は530万戸レベルに落ち着き、住宅ブーム初年度の2001年と状況が似ている。しかし大きな違いとして、前回よりも雇用が1,700万人も増えており、住宅市場はまだ平均以下で、伸びしろが大きい」と述べています。
PHSIは、前回の住宅ブーム初年度の2001年の販売状況を100として、その成約数を指数化して表しているインデックスです。この時期の販売数は500万戸から550万戸レベルで、これが米国の健全な市場レベルとなっています。