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2019.02.05
アメリカの就業者数が増加
アメリカの労働省が1月4日に発表した2018年12月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比で312,000人増加し、同年2月以来の増加幅となりました。なお、アメリカでは99ヶ月連続で就業者数が増加しています。また、民間部門の平均時給も前年前月比で0.4%増加して$27.48となりました。前年同月比では3.2%の増加幅で、これは2008年以来の伸び率となっています。
ウォールストリートジャーナルが実施した調査では、非農業部門の就業者数の増加は176,000人、前月比の賃金増加幅は0.3%と予測されていたため、特に就業者数は予測を大幅に上回る増加となりました。
テキサス州:ダラス・フォートワースエリアの雇用統計
テキサス州:ダラス・フォートワースエリアでは、就業者数は12月に前年同月比で4.8%増加しており、給与もダラス市で3.6%の増加、フォートワース市では8.1%増加しました。
直近となる2018年第4四半期の統計では、特に建設・鉄鋼業及びレジャー・ホスピタリティ関連の雇用が大きく伸びており、次いで製造業の雇用が伸びています。
同エリアでは、航空産業及び軍需産業が盛んで、アメリカ軍需産業の代表格であるロッキード・マーティン・アエロノーティクス社がフォートワース市に本社を置いている他、格安航空のLCCとしてはアメリカで最も収益を上げているサウスウエストエアラインがダラス市に本社を置いています。また、ダラス市とフォートワース市との間に位置するアーリントン市には、アメリカ最大の航空会社であるアメリカン航空が本社を置いています。
このほか、アーリントン市にはアメリカメジャーリーグのテキサスレンジャーズが本拠地としているGlobe Life Park In
Arlingtonがありますが、昨年複合施設開発が行われ、1,000人以上の雇用が創出されました。
労働参加率も上昇
一方、家計調査に基づく失業率は全米で11月の3.7%から3.9%へ上昇しています。しかしながら、これは労働参加率の上昇が原因となっています。労働参加率は12月調査時点で63.1%となっており、この1年間で0.4%上昇しました。また、長期的に見た全米の失業率は2年前と比較すると細かな上下動があるものの右肩下がりを続けています(2016年12月時点では4.7%)。
※労働参加率とは、16歳以上の人口から入院している・収監されているなどの理由で働けない人を除き、その中でも働く意思を表明している人の割合を指します。
2018年のアメリカ経済にはトランプ政権下で推し進められた税制改革の効果が表れたものと思われますが、今後はこの効果も徐々に減衰してくるものとみられています。
他方、不動産市場へ目を向けると、12月のアメリカ全体の中古住宅在庫数は5ヶ月連続で増加したことから(12月時点では前年比6.2%増加)、販売価格の上昇ペースは鈍化しています。12月調査時点の賃金上昇率が住宅販売価格の上昇率を上回っているため、住宅取得に動きやすくなる家計が増えたと見られていますが、経済面では政府閉鎖や米中関係の行方などネガティブになり得る要素も複数あり、今後に注目が集まっています。