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2018.01.12
鹿島建設がミャンマーで大規模都市開発に参画
鹿島建設は、2017年11月20日のプレスリリースで、ミャンマーの複合開発に着手すると発表しました。ヤンゴン市内のヤンキン地区でオフィス、ホテル(長期滞在者用)、商業施設からなる複合開発事業に着手するという事です。総事業費は4億USドル(約450億円)、延床面積17万平米の大規模な都市開発プロジェクトです。
ヤンゴン市内でも今後の成長が期待されるヤンキン地区
当該プロジェクトが予定されているヤンキン地区は、旧中央官庁街とヤンゴン国際空港の中間に位置しており、ヤンゴン市内でも有数の住宅と商業の集積エリアです。欧州系の通信大手やASEAN系の大手金融機関、また日系大企業の拠点が相次いで設置されるなど、新商業地区として非常にポテンシャルが高いとされています。開発敷地内には、児童向け図書館や交通渋滞緩和を目的としたトランスポーテーション・スクエアを設置も計画されています。さらに、防災対応サービス(水、食糧、毛布の備蓄、避難場所の提供)など、地域貢献機能も併せて備える予定であるという事です。プロジェクトを通して、ミャンマーの環境や安全、ライフサイクルコストマネジメントに役立つノウハウの提供が期待されています。
都市開発需要が拡大するミャンマー
ミャンマーでは都市開発の需要およびインフラ需要が急速に拡大しています。それを受け、大手日系企業もミャンマー市場に進出をしています。三菱商事株式会社と三菱地所株式会社は、昨年6月にヤンゴン中心部で大規模複合開発「Land Mark Project」に着手しました。Yoma Strategic Holdings Ltd.とFirst Myanmar Investment Co., Ltdとの共同事業で、オフィス、住宅、サービスアパートメントの開発を計画しています。また、今年10月には丸紅がミャンマーで天然ガスを使った複合火力発電所の改修工事を受注しました。受注金額は約25億円で、国際協力機構(JICA)からの円借款で全額を賄います。
現政権では民族紛争などの課題はあるものの、IMFのデータによるとミャンマーの過去5年間の年平均実質GDP成長率は7.5%と、比較的高水準を保っています。輸出や投資に関しても拡大を続けています。鹿島建設をはじめ、各社が日本で培った技術と経験をどのように活かして今後現地の豊富な開発需要を取り込むのかが注目されています。
記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)