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2017.12.28
住友林業がインドネシアにおける戸建開発を発表
住友林業は11月2日、100%子会社のSumitomo Forestry (Singapore) Ltd. を通じ、インドネシアの首都ジャカルタ近郊で戸建分譲住宅事業を開始することを発表しました。インドネシアの上場不動産開発会社Pt. Summarecon Agung Tbkとの共同事業で、プロジェクトの総投資額は約34億円になる見込みです。同社はインドネシア国内でも有数の不動産開発会社であり、住居やオフィス、商業施設、ホテルなどの総合タウンシップの開発実績があります。
これまでアメリカ、ニュージーランド、オーストラリアなど欧米で海外事業を順調に進めている住友林業ですが、今年は10月にタイ(バンコク)の高級分譲マンション開発・販売の計画に着手するなど、アジア事業の拡大も推進しています。
インドネシアで拡大する中間層の住宅需要
今回インドネシアでは合弁で特定目的会社をつくり、ジャカルタ近郊に戸建て住宅を約160戸建設・販売する計画です。ジャカルタからは15キロ~20キロ、鉄道で約25分の距離で、日々の通勤や通学にも便利なエリアです。敷地面積は44,000平米、第一期の販売開始は2018年を予定しています。
人口増加と好調な経済成長とともに日々都市開発が進んでいるジャカルタやその近郊では、高速道路やLRT(高架式の次世代型交通システム)など交通インフラの整備が進んでいます。そのため、ジャカルタ中心部へのアクセスが良好な郊外の住宅ニーズが高まっています。インドネシアでは安定した経済成長によって購買力を持った中間層以上の人口が今後も増加していく事もあり、中高級価格帯の郊外戸建住宅の需要を見込んでいます。
西日本鉄道もジャカルタ近郊で分譲マンション開発を発表
西日本鉄道も、11月17日のニュースリリースで、インドネシアのジャカルタ近郊での分譲マンションの開発を発表しました。インドネシアで複数の不動産開発事業実績があるDamai Putra Developmentと組み、敷地面積は8,673平米、総戸数 1,531 戸のマンションを建設・販売する予定です(総事業費は約44億円)。主な間取りはワンルームタイプで、大学・病院関係者などの若年層をターゲットにしているという事です。やはり住友林業同様、人口増加と経済成長による住宅ニーズの増加を見込んでいます。
西日本鉄道は阪急不動産などと共同で既にベトナムでの住宅開発に着手していますが、今回は日系企業として単独でプロジェクトに参画します。
インドネシアは国民一人当りの名目GDPがUSD3,000を超え、今後日本の高度経済成長期と重なる経済規模の拡大が見込まれると言われています。また、東南アジア最大の人口(世界第4位)を抱えるインドネシアは、今後消費をけん引する中間層の拡大が見込まれ、あらゆる産業分野で継続的な経済成長が期待されています。ジャカルタ近郊のベットタウンでの不動産開発を通して、日系各社がどのように中間層の住宅ニーズを取り込んでいくのかが注目されています。
記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)