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2017.11.30
日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、タイに進出する日系企業が5,000社を超え、5,444社になりました。非製造業の進出が加速しており、3年前の2015年よりも19%増加しているそうです。不動産セクターでも、タイに初進出する企業が相次いでいます。
住友林業がタイで初の不動産開発に参画
住友林業株式会社が、タイで初の不動産開発に乗り出すと10月11日のプレスリリースで発表しました。バンコクのトンローエリアで、地上38階建て、約400戸の高級分譲マンションの開発を計画しています。タイ現地のProperty Perfect PCLとGrande Asset Hotels & Property PCL社との共同事業で、総投資額は約150億円を見込んでいます。
タイは安定的な経済成長が続き、首都バンコクの人口は増加傾向にあります。バンコクの中心部は交通インフラの整備が進んでおり、地下鉄や高架鉄道の駅から近いマンションが人気です。オフィスアワーは特に車が渋滞し移動に時間がかかる事から、近年、公共の交通機関を利用する人々が増えています。住友林業は積極的に米国やオーストラリアの現地企業を買収し海外事業を拡大させていますが、東南アジアでも同社の強みを活かし、事業の拡大を目指しています。
JR九州グループがバンコクに現地法人を設立
九州旅客鉄道株式会社(JR九州グループ)は、タイのバンコクに、不動産開発事業等を行う現地法人の設立準備を開始しました。同社は中期経営計画で「九州外エリアへの挑戦」を掲げており、アジアのマーケットでの事業拡大を推進する上でまずは日系企業も多いタイにフォーカスしていくという事です。今年の5月にバンコク事務所を開設して情報収集を続けてきた同社ですが、現地法人の設立(今年の11月を予定)により、早期の事業実現をしていきたいとプレスリリース内で発表しています。
野村不動産がバンコク郊外での住宅分譲事業に参画
野村不動産株式会社は、タイ現地のOrigin Property社との共同で2,000戸超の分譲住宅事業に参画しました。
同社の中長期経営計画では海外事業を成長分野の一つと位置付けており、不動産ニーズが高まるアジア諸国を中心に住宅事業・賃貸事業に約3,000億円の投資を計画しています。
タイに既に進出している日系不動産企業として、三井不動産株式会社、三菱地所株式会社、東京急行電鉄株式会社、三菱地所レジデンス、阪急不動産株式会社などが挙げられますが、上記のように今年も新たに日系企業が続々とプロジェクトを計画しています。各社がそれぞれの強みを活かし、今後どのようにタイで商機を拡大していくかが注目されています。
記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)