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2015.12.25
2015年12月24日のWall Street Journalによると、いわゆるサンベルト地帯(南・西南部の気候が温暖な州)の人口が大幅に増加したのに対し、中西部や北東部では減少したそうです。(米国勢調査局が22日発表した人口動態統計より/調査対象期間は2014年7月~2015年7月の1年間)
不動産の需要を予測する上で人口統計は最大の指標ですが、この調査では特にフロリダ、ノースカロライナ、アリゾナ、ネバダ、テキサスの各州の人口増加が著しかったという結果になりました。
一方人口が減少したのは、イリノイ、ウエストバージニア、コネティカット、ミシシッピ、メーン、バーモント、ニューメキシコの各州です。このような中西・北東部から約56万人が南西部に移り住んだとされています。中西部で唯一例外だったのはノースダコタ州で、石油産業関連の求職者増加を受けて人口が2.3%増加しました。
南米からの移民も増加
人口増加の内訳は、南米からの移民も大部分を占めています。いわゆるマイノリティが北米に移り住む傾向は昔から変わりませんが、今年の特徴はキューバからの移民が増加したことです。今年の8月、約半世紀ぶりにキューバとアメリカの国交が正常化され、キューバからの移民がフロリダに押し寄せました。ちなみにマイノリティが多い州は、大統領選では一般的に民主党が有利になるといわれています。サンベルト地帯の唯一のレッドステイト(共和党が強い)であるテキサス州を除いて、来年の大統領選は民主党が優勢だろうと予想されています。
注目のノースカロライナ州
ノースカロライナ州も10万2,415人増と大きな伸びとなり、人口が初めて1,000万人を突破しました。ノースカロライナ州は近年、州都のローリーを中心に研究施設が集中しており、ハイテク関連企業の求職者に人気です。また、大手銀行の本社やバックオフィスもあり、優秀なホワイトカラーが多いことでも知られます。温暖な気候のため、リタイア後の居住地としても注目されています。
不動産の需要を考える時には州や都市単位の人口増加とその影響に注目していくと、今後の予測がより明確になってきます。北西部から南部のサンベルト地帯への人口流入の動きは来年以降も続くといわれています。
☆Today's English Word!
【移民】immigrant
外国から流入してくる移民を、immigrantといいます。フロリダのマイアミ等は世界でも有数のimmigrant
gateway(移民の出入り口となる都市)です。外国へ流出する移民は、emigrantと表現します。
☆今年のMARKET UPDATEはこちらで最後となります。皆様本年も誠にお世話になりました。
来年も何卒よろしく御願い致します。
written by Yoshiko Miyake