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海外不動産投資コンサルティング

MARKET UPDATE

ヨーロッパ随一のテックシティに成長するダブリン

アイルランド

2019.06.11

2008年のリーマンショックの影響を強く受けたアイルランドの沈みかけた経済の回復に貢献したのは、なんといっても、アメリカ系のテック企業の誘致に成功したからであろう。現在、グーグル、フェイスブック、ツイッター、リンクドインなどはもちろん、多くのテック・ジャイアントがヨーロッパの本社をダブリンに構えている。

リーマンショック以前からもグーグルなどの大企業がダブリンにヨーロッパ本社移転を検討していたが、奇しくも多くのビル開発はリーマンショックによって中断されてしまった。リーマンショック後、2010・11年にアイルランドは不況から脱却し、2012年前後からアメリカ系テック企業大手が本格的にダブリンの拠点を拡大し、欧州ヘッドクオーターを移転し始める。それに後押しされ、スタートアップ企業や金融機関、コンサルタンシー・ファームが次々に移転や拠点の拡大をしていく。

ダブリンの中心地から東へ15分程度歩いたところにテック企業が多く集まるグランド・カナルドックがある。ここは現在アイルランドのシリコンバレーにちなんで、シリコン・ドックスとも呼ばれており、もともとドック(船着き場)であったため、運河に囲まれたオフィス街となっている。現在も多くのオフィスビルが建設中であり、グーグルなどが拡大入居する事が決まっている。

安い法人税と若年層の労働力

アイルランド政府は、1999年に法人税を32%から12.5%に下げるという大胆な政策にでた。これはヨーロッパではハンガリーの次に安く二番目に低い法人税率である。この事を発端にそれまでは人口370万人程度の農業国から、テクノロジー・科学研究・開発・金融などの知識経済国と徐々に変貌を遂げていく。現在の人口は500万人弱で、20年間で35%(年率約1.75%は驚異的な伸びである。)伸びている。ヨーロッパの中でも一番若年層の人口比率が多い事や多数の有名大学がキャンパスを構えるダブリンは、今後もテック企業が必要としている人材確保ができる環境もあり、企業にとっては魅力的だ。また、アイルランドはカトリック国であるため、出生率も諸先進国に比べ高い。

アメリカとの繋がりの強さと魅力的なヨーロッパの都市:ダブリン

アイルランド人のアメリカ移住は歴史的にも有名である。アメリカ国民の10%はアイルランド系の祖先をもつと言われている。これは実にアイルランド人口の6倍にもなる。世界のユダヤ人人口とイスラエルの人口比率よりも多い割合で、アイランド民族はアメリカにいる事を意味している。また、アメリカ人にとってヨーロッパの古い都市というのは非常に魅力的でもあり、ダブリン市内はアメリカ人観光客で溢れている。

GDPは中国を上回る成長

2017年のGDP成長率は実に7.5%と同年の中国の成長率6.9%を上回る勢いである。また、人口一人当たりのGDP(GDP per Capita )はUSD $78,785で世界でも6位であり、ヨーロッパ内ではルクセンブルグに次ぐ二位となっている。(ちなみに日本のGDP per Capitaは、USD $44,227)GDPの高さに比べ、物価や不動産価格は高くなく今後の不動産マーケットの動きも気になる都市である。

上記は2005年からのインデックスベースの価格推移であるが、高値を付けた2008年から比較して、まだ20%低い価格で推移している。ダブリンのような国際的なポテンシャルがある都市は、成熟してくると全国平均価格変動率と乖離して上昇する事が考えられるが、まだ、全国平均から突出した高騰をしていないことからも今後の成長余力が期待できるのではないか。隣国、英国のロンドンの物件価格と比較するとCity Centreの価格はロンドンと比較して62%安く、ダブリンのCity Centreで平米単価$5,691となっている。(ロンドンCity Centre=$14,719)ダブリンの賃貸利回りはGross 7.09%となっており、ロンドンの2.71%と比較して非常に高い。

ダブリンの不動産販売情報:

The Waterside, Grand Canal Dock, Dublin 4:シリコンドックに隣接する物件

Landsdowne Place, Dublin 4 :ダブリン市内・一等地にある高級マンション