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MARKET UPDATE

Mori Building forays into Indonesia.
森ビルがインドネシアに新規参入

インドネシア

2017.08.30

東南アジアで初のオフィス開発事業

東京都港区を拠点とする大手デベロッパーの森ビルが、東南アジア事業として、ジャカルタ(インドネシア首都)のオフィスの開発に参入するという発表がありました。海外での大型開発案件は、2008年の上海上海環球金融中心(上海市)以来となります。

同社は昨年シンガポールに現地法人を設立し、海外の市場の調査を行いながら様々なチャンスを探していたという事で、今回初の東南アジアプロジェクトの舞台として、成長著しい国際都市であるジャカルタが選ばれました。

最高水準でジャカルタのランドマークを目指す

ジャカルタの新たなランドマークを目指すべく計画されているプレミアムグレードのオフィスタワー「ジャカルタ・オフィスタワープロジェクト(仮称)」は、ジャカルタ市最大のビジネス街の目抜き通り・スディルマン通り沿い、スマンギ交差点近くに建設が予定されています。

総事業費は500億円超、地上59階建て、高さ266メートルの高級オフィスには、飲食施設なども併設されるようです。インドネシア現地企業(Bangun Cipta)と、清水建設の3社でジョイントオペレーションが既に開始されており、2021年の竣工を目指します。森ビルのオフィス開発のノウハウを活かし、優れたセキュリティとオフィス環境を備えるという事です。

意匠デザインは世界的建築事務所のKPF

意匠デザインは、アメリカを代表する建築事務所であるニューコーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(KPF)が手掛けます。ポストモダン建築を志向している同事務所は世界中のオフィスタワーのデザインをしていますが、中でもシカゴの333 WEST WACKER DRIVEは、数々の映画で取り上げられる象徴的なビルとして世界中に知られています。日本では森ビルの開発として有名な六本木ヒルズ森タワーのデザインをしています。

大和ハウス工業はジャカルタ郊外に分譲住宅を開発予定

大和ハウス工業も、インドネシアの中堅デベロッパーであるトリボ・グループとのジョイントベンチャーで、都市開発事業に乗り出します。ジャカルタの南東部に、5千戸の分譲マンションと商業施設の開発を計画しています。

インドネシア政府が鉄道や道路などのインフラ整備を進めていることで、都市周辺の住宅ニーズが近年拡大傾向にあり、今後のさらなる需要の増加を見通して開発が計画されました。2017年11月に着工の予定で、2024年の完成を目指します。

大和ハウスグループはこれまで日系進出企業やインドネシア内需拡大のため、ダイワ・マヌンガル工業団地に代表される大規模工業団地開発に着手していましたが、分譲マンションと商業施設の開発に乗り出すという事で、こちらも話題となっています。

インドネシア中央銀行は今年8月、約1年ぶりに利下げに踏み切り、政策金利を0.25%下げ、年4.5%にすると発表しました。この景気刺激策により、インドネシアの通貨であるルピアの下落懸念が後退し、現在同国のインフレ圧力も弱まったと言われています。ジャカルタのランドマークを目指しラグジュアリーなオフィスビル建築を計画する森ビルと、拡大する需要を受けジャカルタ郊外で分譲マンションの建設を進める大和ハウスと、それぞれの戦略は異なりますが、インドネシアに商機を見出した2社のプロジェクトの今後が注目されています。

記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)