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MARKET UPDATE

“Macau Gambles on the High Rollers Again”
低迷していたマカオのカジノ・リゾートに追い風

中国

2017.04.24

低迷していたマカオに追い風

2017年4月5日のWall Street Journalによると、世界最大のカジノ集積地であるマカオに追い風が吹いているそうです。マカオのカジノ業界は中国政府による「汚職取り締まり策」の影響などで数年にわたり低迷していましたが、同エリアのカジノ総収入は今年3月に前年同月比で18%増加し、過去3年で最も高い伸びを記録しました。


カジノの売上を支える「ハイローラー」とは?

売上好調の理由の一つは、ハイローラーと呼ばれる賭け金の多いVIP顧客の存在が大きいと言われています。ハイローラーの定義は国によって異なりますが、VIP顧客になるには最低でも400万円程度をカジノ内の銀行に預金する必要があります。カジノの売上の7割~8割はこのVIP顧客からもたらされるので、カジノ側もこうした顧客には専用ジェット機やリムジン車での送迎や、ホテルのスィートルーム宿泊の無料サービスを提供するなどの販促活動を惜しみません。



なぜ今、マカオが好調なのか?

低迷していたマカオにVIP顧客が戻ってきている背景には、中国本土での低利融資に後押しされた景気ブームが挙げられます。この低利融資により、人々は住宅や高級車などの購入を加速させています。結果、中国の住宅価格が急騰し建設事業が過熱し、生産者物価指数(PPI)も押し上げているとの事です。住宅価格とPPIはどちらもマカオのカジノ収入と相関性が高いというのが、過去のデータからも証明されています。

「中国の低利融資による好景気は長く続かないのではないか?」という見方が多く、ブームが終われば、急速に状況が厳しくなる可能性を指摘する専門家もいます。不動産市場もピークに向かいつつある今、国からの資本流出を何とか抑えたい中国政府がマカオへの規制をさらに厳しくするリスクも考えられます。

今後マカオのカジノ収入がどのくらいの勢いで伸び続けるのかは、中国の景気動向を見守りながら予測する必要がありそうです。


最近のアジアのカジノ市場

日本では昨年末IR推進法が施行され、統合リゾート建設に向けた法整備が進んでいます。一方、今年の春には韓国の仁川空港近くにカジノ・リゾート施設「パラダイスシティ」がオープンしました。

マカオ、シンガポール、フィリピン、そして韓国などアジア各国のカジノ・リゾートが今後どのような盛衰をたどるのかが注目されています。


記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)