海外不動産投資コンサルティング

MARKET UPDATE

Foreign Buyers Pump Up U.S. Residential Market Prices
外国人の「爆買い」によりアメリカ不動産価格が上昇①

アメリカ

2017.08.04

意外な結果:外国人の爆買いで住宅価格が上昇

7月19日のTHE WALL STREET JOURNALによると、昨年から外国人がアメリカの不動産を「爆買い」し続けており、それが記録的なペースであるという事です。この外国人による行動が、もともと価格が高いアメリカ西海岸のシリコンバレーなど人気エリアの住宅価格をさらに押し上げています。

アメリカ人以外の外国人が2016年3月から2017年3月の12か月間で購入した米国の居住用不動産は約1,530億円相当と、前年比よりも5割増えました。これまでは1040億ドル(2015年)が過去最高でしたが、それを約500億ドル上回ったという事になります。

実はこの結果は、NAR(全米不動産協会)などの関係者にとっては意外なものでした。外国人によるアメリカ不動産購入の主役ともいえる中国人は、中国当局による資本流出規制の強化で逆風にさらされていました。また、大統領選でトランプ氏が選出され政治は混迷が続いています。そのため外国人の住宅購入がこれほどまでに伸びるとは、予想していなかったそうです。


住宅供給が需要に追い付かない

外国人需要が旺盛なアメリカ市場ですが、住宅供給の方は連動して減少傾向にあります。2017年春の売却シーズンには、物件競争率が歴史的な高水準となりました。住宅の建設業者は深刻な人手不足や建築規制、主要地域での用地不足などが原因で、住宅建設が需要に追いつかない状態です。

実際にサンフランシスコやハワイのオアフ島などの土地面積が限られたエリアでは、ひとつの住宅の販売に対して5件以上の買い付け希望オファーが入ることも少なくありません。販売提示価格よりも10%から15%ほど価格を上乗せしたキャッシュ・オファー(現金買い付けオファー)を入れなければ、売主から選んでもらえないという現象が起きており、各地でいわゆる物件争奪戦が繰り広げられています。外国人がキャッシュ・オファーを入れる一方で、アメリカ国民は住宅ローンを前提にオファーを入れるため、たいていの場合外国人が物件購入の争奪戦に勝利します。

このような外国人需要、米国内での供給不足などの要因が、一部の都市の物件価格を引き上げています。持続不可能ではないかとも思われる水準まで押し上げられているこの価格水準は、仮に外国人が市場から撤退した場合、維持が難しいのではないかと思われています。


上昇を続ける住宅価格指数

S&Pコアロジック・ケース・シラー全米住宅価格指数によれば、2009年には118ポイントだったサンフランシスコの平均住宅価格は、2017年の4月には238ポイントと、約2倍上昇しました。リーマンショック前の水準が211ポイントだったので、その当時の水準を上回る勢いで価格の上昇が続いています。5年前は52万ドルだったサンフランシスコのワンベットルーム住宅の平均価格は現在82万ドルです。

アメリカ全体の住宅価格は、4月時点で前年より5.5%上昇しました。同指数は昨年9月に過去最高を記録し、それ以降毎月上昇トレンドが続いています。


次回の記事では、なぜ外国人がアメリカ不動産を購入しているのか、具体的な原因をご紹介していきます。

記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)