海外不動産投資コンサルティング

MARKET UPDATE

Rent has boosted monthly payments
家賃の支払いが米国消費者の重荷に

アメリカ

2017.07.06

「債務=Debt」と「支払い=Bills」

2017年6月26日のTHE WALL STREET JOURNALによると、米国の消費者は住宅ローン、学資ローン、自動車ローンなどのいわゆる「債務=Debt」の返済をしなければいけない層と、家賃や自動車のリース料などの毎月の「支払い=Bills」という重荷を背負っている層に大きく分類することができるそうです。

前回の6月27日のMARKET UPDATEでは、米国の今年の前半の家計の債務金額が過去最高になったという話題を取り上げました。金融危機以降、住宅への融資基準はかなり厳しくなりました。その為、家計の債務の内訳は金融危機当時のようなサブプライムローンが中心ではなく、学資ローンや自動車ローンの増加が目立っています。


家を借りている人の負担は増加傾向

米国の消費者は低金利の恩恵を受け、1世帯あたりの債務の負担額は小さくなっています。FRBの発表によると、家計全体の債務返済比率は過去最低水準に低下しました。

しかし一方で、家賃や自動車のリース料などの毎月の支払いの給与に占める割合は1980年代以来の高水準に近づきつつあるそうです。特に低所得者層を中心に、この傾向が強くなっています。賃貸をしている世帯の年収の中央値は2万7,800ドル、自宅を持っている世帯の年収の中央値は6万3,400ドルと、大きな差があることがわかっています。


リース利用者が増えている自動車市場

自動車ローン残高の総額は増加していますが、最近はローンを組んで車を購入するよりも、リースを利用する人が増えているのが特徴です。米国の5月の新車販売台数のうち、リース契約率は31.2%と、5年前と比較すると約10%上昇しています。富裕層でリースを利用している人はあまりおらず、信用力の低いサブプライム層と、さらに信用力が低いディープサブプライム層の約4分の1がリースを利用しているというデータがあります。


家賃は上昇トレンドで推移

アメリカでは住居関連を除く物価上昇率がほぼ横ばいで推移する中で、家賃だけはこの5年間で18%上昇しています。
米国の住宅マーケットは大まかに表現すると「不景気で住宅価格の平均が下がれば、家賃は上がる」というトレンドで歴史的に推移を続けています。例えば金融危機後は住宅ローンを払いきれず自宅を手放す人が相次いだため、賃貸マーケットの需要が高まり、家賃が微増しました。


以上から分析をすると、米国の不動産を投資目的で購入する場合は、将来的な賃貸需要が十分に見込める物件を見極めることが大切です。そうする事で保有期間中はもちろん、投資の出口戦略を立てる場合も、景気の悪い影響を最小限にとどめることができます。学校区のレベル、主要道路や空港、オフィス集積地へのアクセス等もテナントの立場でじっくり考慮する必要がありそうです。

記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)