ユーロ危機をはじめ、世界の金融マーケットが不透明感を増している中、世界の投資マネーがやはり現物資産に向かっています。シンガポールの昨今の新聞を見ていると、特に海外不動産に向かっているという記事が散見されます。
9月15日のBusiness Timesによると、第3Qに入り、オーストラリアのオフイスに海外からの投資マネーが入っているようです。理由は、まさに危険回避です。米ドル、ユーロ資産から他の通貨、特に経済が成長している国へのシフトです。
ここ数年で、ユーロ以外は軒並みドルに対して強くなっていますが、豪ドルもその一つです。購買力平価でみるとかなり高い水準で、これ以上の買い進みはやや危険な感じはしますが、資源通貨として相変わらずの人気です。
また特に最近は、好調な経済を反映して、プライムオフィスの空室率が低く、利回りが6%以上確保でき、かつ通貨が強いということでリスク回避資産として海外投資家が購入しているようです。
記事によると、今年のはじめ第1Qは海外投資家の取引価格での比率は、わずか4%だったのが、第2Qには34%、第3Qは48%と急速に伸びています。オーストラリアのオフィス投資家は、歴史的には60%が国内のREITでしたが、現在はおもにオフショアからの年金やグローバル不動産ファンドなどの機関投資家が買いに来ているようです。海外の投資家の国別で言うとシンガポール籍が50%以上を占めているようですが、ファンドの会社がシンガポール籍であって、資金は世界中から来ているようです。
また、9月27日付けのBusiness Timesでは、ユーロ危機に関連してやはりロンドンの高級コンドに海外資金が入っているようです。
ご存知、8月に若者による暴動があり、上昇率は前月よりもさがったものの、9月には明らかに取引が増えており、昨年9月から11.4%の上昇を記録しており、ついに2008年3月に記録したそれ以前のピーク水準を4.5%上回ったようです。理由は、2008年からのポンド安もそろそろ底打ちとの見方とユーロの崩壊を予測しての危険回避としてのポンドへのシフトです。その中で現物資産をしてロンドン不動産が選ばれているとのこと。特に最近はロシアの富豪の購入が多いようで、来年に控えた大統領選挙など国内の不透明感もありリスク回避と言う見方が紹介されています。またユーロ圏の中では、フランスの投資家も増えているようで、ユーロ資産からの逃避と言われています。
私のセミナーやこのブログでも何度もロンドン不動産については、強気の見通しを述べてきましたが、現実の物となっています。ちなみに来週金曜日からロンドンに入ります。ロンドン、スペインの不動産を視察する今年第2回のツアーです。今回は10名以上の日本からのお客様とヨーロッパ在住の日本人の方が何名か参加されます。
また、明日からはまたマレーシアKLおよびシンガポール不動産の視察ツアーが始まります。アジア通貨が急落している中、シンガポールドルは60円を切り、リンギも対円で24円台をつけています。まさに千載一隅のチャンスです。この1年ドルに対して一方的にあげてきたシンガポールドルと、マレーシアリンギットが、ようやく調整している今がチャンスです。スイスフランや金も調整し始めたことから、有事のドルということで、また米ドルに回帰する可能性もできました。年末にかけて円安に向かう可能性も出てきましたので、日本人にとって、海外不動産へむかうラストチャンスだと思います。(昨年から言い続けていますが、為替の見通しほど当てにならない物はないですね。)
10月16日にヨーロッパから東京に入りますが、その日の夜に海外不動産投資座談会を開きます。ヨーロッパやマレーシア、シンガポールなどの最近の状況などもお話しできると思いますし、時差ぼけと戦いながら、フランクに皆様と情報交換したいと思いますので、お時間がある方はサイトから申し込んでください。