21日ののシンガポールのBusiness TimesのProperty面に
Rich Chinese send Vancouver’s real estate prices soaring
(中国人富裕層がバンクーバーの住宅価格を押し上げている)という記事が出ていましたのでご紹介します。
この3年間でバンクーバーの不動産は50%以上上昇しているそうです。それもまさにチャイナマネーの影響が非常に大きいと分析しています。
ご存知バンクーバーは香港が中国返還前(1997年)に香港人の移住とともに住宅が高騰しました。いわゆるホンクーバーなどといわれたのは、その頃です。
今回は、特にWest Vancouverの非常に限定された希少性のある物件に集中して購入しているようです。具体的な実名で紹介されているのが、上海の実業家Sui Yi Bin(貿易商)さんは最近カナダの永住権を取得し、家族をバンクーバーに住まわせ自分は上海を拠点にビジネスをするそうです。家族をカナダで住まわせる最大の理由は子供の教育で、教育水準の高いカナダで、最もいい生活環境で育てたいと言う考えで、これは今の中国では全く実現できないという考えだそうです。彼は、450㎡の高級戸建てを430万カナダドル(約3億5000万円)で購入予定だそうです。
バンクーバーの地元不動産エージェントによると、
ここ半年で中国大陸からの購入が急増しているとのことです。これは、おそらくここ2−3年の中国の不動産価格が上がり過ぎで政府が厳しい抑制策を取ったことも影響していると思います。また、カナダ政府が昨年永住権の審査基準(投資移民ビザの資産基準や投資金額をそれまでの2倍にした。現在投資金額は80万カナダドル、純資産は160万カナダドル)をあげたことにより、中国からの駆け込み申請があったことなどが原因かもしれません。
ただ、バンクーバーの不動産価格は3年で54%(昨年は13%)上昇したため、今年後半には一度ピークをつけるとのこと。
バンクーバーの開発業者の中には、中国人が気に入るような間取りを風水師に見せて企画するところも出て来たようです。
バブルの懸念が心配されますが、アメリカと異なりカナダの銀行は非常に健全で、ローン審査が厳格ですので、あまり心配がないという見方も紹介されています。先にご紹介した上海人は、「別に投資目的ではないので価値が下がらなければそれで良い』とのコメントでした。世界一住みやすいという評価のバンクーバーの高級実需物件は底堅いのかもしれません。