昨日は、インドネシアの外資規制の話題でしたが、21日のシンガポールの経済誌Business Timesの1面トップにまさにシンガポールでの土地付き不動産の外国人取得制限を継続するという法務大臣コメントがでています。
シンガポールは、いわゆるコンドミニアム(区分所有のマンションで民間が開発したもの)は外国人も取得できますが、セントーサ島のSentosa Coveという高級分譲地を除き、原則土地付き住宅(いわゆる戸建て住宅)は外国人は取得できません。
ただし、外国人でもPR(永住権)を取得した人で、自己使用目的で購入する場合と、永住権はなくとも国家に経済的に多大な貢献をした外国人のみ土地付き住宅の購入資格が認められていますが、それでも法務大臣の認可が必要です。
昨今、シンガポールの不動産が急騰しているのは、中国人を中心とする外国人がシンガポールにコンドミニアムを買いあさっているという国内世論に配慮し、外国人に一定の制限を設けるべきとの議論があるようですが、あくまで、戸建て住宅は制限を継続するということを確認することで、この議論を交わす狙いがあるようです。
実際のところ、リーマンショック以降2009年から2年連続で不動産が急騰して来ましたが、ここにきて政府の政策が効を奏し、売買市場は落ち着いて来ました。
実際のところ、高級マンション市場(SGD1.5Mil,約1億円)以上の物件の21%は外国人が占めているというきわめて外国人の占める割合の多きなマーケットです。人口密度世界一となり、教育水準が高く、アジアの富裕層を惹き付ける不動産市場です。
ロンドンのように高級不動産のバイヤーの50%以上が外国人というマーケットはかなり珍しいですが、シンガポールもアジアでは外国人比率の突出して高いマーケットです。先の総選挙でも外国人労働者が急増したことで、野党に票がながれ、歴史的敗北を喫した(といってもたった4議席を取られただけですが)与党としては、外資を取り込みながら、いかに国民の理解も得るが苦心していると言えるでしょう。