成田日航ホテルです。
明日から、ロンドン、スペイン不動産視察ツアーが始まりますので、上海から先ほど成田に入りました。
さて、今日も中国の不動産規制の影響についてです。
いよいよ上海と北京においては、現在2戸以上保有する世帯は、今後新規で住宅を購入できなくなりました。この影響は、特に富裕層が転売目的で保有している高額物件の将来の出口に影響を与えそうです。
上海の市中心の高級不動産(おおむね平米単価で6万元以上の高額物件をさす)は、富裕層が将来の値上がりを期待して、複数の物件を保有しているケースがありますが、これらの実需ではない投資(投機というほうが正しいかもしれませんが)目的で保有する物件はいよいよ出口がなくなることにより、値下がりが必至です。2002年から分譲開始された新天地の翠湖天地などは、当初分譲時は平米単価1.2万元程度だったものが、2009年のピーク時には10万元で取引されていました。
これは、上海の中心部では開発余地が限られており、立ち退き補償金額も上がっていることから開発が進まず希少性があることから、利便性が高く、デベロッパーに定評のあるプロジェクトは高値で取引されて来たのです。ここに来て、このような市内高級物件の動きが非常に鈍ってきました。
今年に入り、高額物件の中古価格は潜在的には20%から30%近く下がっているかもしれません。取引は激減しています。
将来的に値上がりするのであれば、キャッシュリッチな富裕層は投資対象が限られている中国で、預金でおいておくよりも当然期待収益の高い資産にシフトする訳です。今回の規制で、このような先高感が後退した高額不動産から他の資産にシフトすることは必至です。
現在キャッシュを保有している上海の投資家は、とりあえず株式にシフトすると言う見方も出てきました。また、まだこのような規制がでていない地方の不動産または、海外の不動産にシフトするという見方も出ています。
また、昨日のニュースで、上海の個人投資家に海外投資を解禁するという情報も報道されました。先月、同様の内容で温州市で解禁されるとの発表が有ったばかりですが、上海でも検討されているようです。やはり政府の関心は、国内の資産バブルつぶしと、人民元の海外へのシフト(外貨交換の促進)です。
いよいよチャイナマネーが海外に出るという環境が整ってきたわけです。
さて、明日から1週間ヨーロッパ(イギリス・スペイン)です。3月5日(土)のセミナーでは、最新情報をお伝えします。乞うご期待。