preload
10月 09
このエントリーをはてなブックマークに追加

先週金曜日(10月5日)、シンガポール金融庁(Monatary Authority of Singapore)が、新たに住宅ローンの規制を発表しました。

住宅ローンの最大の借入期間を35年の上限とし、30年を超える期間のローンまたは、65歳を超えて返済するローンについては、以下のような貸替率(LTV)を規定しています。

(1)既に他にローンの残高がある借入人は最大LTVは40%

(2)他にローン残高が無い借入人は最大LTVは60%

すでに、シンガポールでは、昨年に短期売買にかかる売り主にかかる印紙税(1年以内16%、2年以内12%、3年以内8%、4年以内4%)を導入したり、購入者に購入時に追加でかける印紙税(外国人は追加で10%、シンガポール人でも2戸目から追加で3%)を導入するなどの投機抑制策が講じられてきました。

今年に入り、特に外国人が購入する比率の高い高級物件を中心に、取引量が激減し、価格の調整が始まっていましたが、5月以降取引量が再び回復傾向にあり、特に新規のローンの伸び率が急上昇しており一部に価格上昇懸念がでてきていることから、政府として追加で政策を打ち出したようです。QE3発表後もシンガポールドルが上昇していることからさらなる住宅価格バブルを懸念しての早めの対策と言えるでしょう。

特に、このブログでも以前紹介しましたが、UOBが50年ローンをマーケットに出して、政府内でも物議を醸し出したこともあり、今回ローンの借入期間に上限を設定したようです。

今週に入り、株式市場では住宅分譲を行っている大手不動産デベロッパーや主要銀行の株価は軒並み下落していますが、不動産の市場関係者の見方は、今回のローン規制の影響は、昨今の一連の規制に比べ、それほどインパクトは大きくないだろうとの見方です。むしろ、市場では規制策もそろそろ打ち止め感がでてきており、史上最低金利の状況下、どうしても不動産に流れやすいと見ている向きもあります。

世界経済が低迷する中、代替投資(Altanative Investment)も限られており、QE3後、金が買われ価格が上昇した後は、現物の安全資産として、通貨が強いシンガポール不動産に戻って来るとの見方もあり、短期の転売目的ではなく長期的投資としては、依然買いであるとの見方がされています。

本日のシンガポールの経済紙、Business Times 12面では、HSBCの外国人駐在員調査で、世界中の同社顧客のうち、シンガポール駐在の外国人の平均年収が過半数が20万ドル以上であり、世界でナンバーワンであると報じています。シンガポールに富裕外国人が集まる以上、運用対象としてシンガポール不動産がターゲットになるのは当然かもしれません。

 

 

 

 

Related posts:

 
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントの受付は終了しました。