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6月 13
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久々の投稿です。6月に入り、日本から投資視察ツアーのお客様がマレーシア、シンガポールに団体で来られており、そのアテンドで先週末までクアラルンプール、ペナン、シンガポールと出張続きで、ほとんど時間がありませんでした。

今日のシンガポールの有力紙『Straits Times』の1面の見出しです。

Stronger US economy would help Asia:PM

より強い米国経済がアジアを救う:首相発言

シンガポールの首相であるリー・シェン・ロン氏がインドネシアで開かれている世界経済フォーラムの東南アジア年次サミットでの発言として以下のように報じました。

この2−3年、欧米の経済および金融危機により、グローバル資金がアジアのエマージング市場に流れており、その結果としてアジア諸国のインフレや不動産価格の急激な上昇を招いている。特にアメリカはサブプライム問題に端を発し、経済再建の為に超金融緩和を行っており、世界的なインフレを引き起こしている。シンガポールの不動産価格はこの2年間に急激に上昇したのもこの要因が大きい。シンガポール政府としてはグローバルマーケットが起こしたことなので、政府としては何もできない。欧米特にアメリカ経済が立ち直ることにより、アジアでのインフレなどの問題を解決できるとしている。

シンガポールは、昨年は年GDP14.5%上昇し、不動産価格も2年連続で20%以上の上昇を記録しており、先日の総選挙でも不動産の高騰に対する政府の政策に関して野党への批判票が流れ、野党が歴史的な得票を得ました。(といっても、たったの6議席を確保したに過ぎませんが)

シンガポールは、金融政策を通貨量や金利でのコントロールを行わず、基本は為替を調整することにより経済をコントロールしています。

現在は、経済が絶好調ですから、基本は輸出を抑え、過熱経済を抑制し、インフラ抑制をする為には、生活物資がほとんど輸入されているこの国では、為替を強くすることを志向しています。

実際、金利はほぼ0金利で、シンガポールドルの1年もの定期は0.42%です。一方、住宅購入のローン金利は変動で年利1.3%、30年の固定金利でも2%という超低金利です。金利は低いけれども強くなるシンガポールドル資産をもつことにより為替でメリットを取ることができます。したがって、シンガポールの不動産は、シンガポールドルの定期預金よりは遥かに利回りが良く(といってもグロス利回り3%〜4%)ローンも外国人でも物件価格の7割(場合によっては8割も可能)も可能になる訳ですから、確かに急激にあがった感のあるシンガポール不動産ですが、人口が増え、経済が発展し、金融センターとしてますます発展するこの国には海外からの富裕層のマネーが入り、やはりまだまだ上がると見る向きが優勢です。

政府も不動産価格上昇を抑制するために、短期売買には売買価格に一定の%をかける印紙税を導入しました。(1年以内は売買価格の16%)

しかし、5年くらいの長期(海外不動産では5年は長期です)で見て、シンガポールドル建ての定期預金だと考えて、シンガポールの不動産やシンガポールのREITをもつというのは賢い運用だと思います。

最近シンガポール不動産を視察された日本の投資家さんの率直な印象でした。

 



 

 

 

 

 

 

 

強くなるシンガポールドルの対米ドル推移

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