HK sellers cut prices amid crisis in Japan
香港の売り主は日本の危機で値段を下げた
日本の今回の震災の影響が、香港地場の不動産価格に影響を与え始めたという記事です。香港は、著書『チャイナマネーを追え』でも書きましたが、リーマンショック以降、香港ドルが米ドルにペッグしていることから低金利と中国大陸からの資金流入によりバブルが発生し、2009年から高騰が続いてきましたが、ここにきていよいよ調整が始まった感があります。
ある意味、日本の震災は、世界経済の行方に不透明感を与え、世界的にエネルギー、建設資材、食料の等の価格があがるインフレが金利上昇を促すとの見方や、米国の金融緩和政策も終わるとの見方も香港不動産価格動向に価格修正のきっかけとなったようです。
2009年から、ほぼ3年にわたり続いた価格上昇も一服し、利益確定売りが出始めているようです。ただし、まだ一部の売り主が価格を下げたということで、まだまだ強気の売り主がいるため、大幅な価格調整にはならないという見方もあります。中国での不動産投資規制から、まだまだ香港に流れるという見方もあるので、今回の動きは一時的かもしれません。
台湾では、政府が不動産価格を抑制するため売上課税を強化するという記事が出ています。
Sale Tax may end Taiwan’s rally
売上税導入が台湾の不動産価格上昇に歯止めをかけるかもしれない
台湾政府は、連続7年間の価格上昇によりピークを記録していた不動産価格のこれ以上の上昇を押さえ込むため、今月、1年以内の住宅売却に関して売却価格の15%、2年以内には10%を課す内容を提案しました。
これにより、本年は横ばいか場所によっては、5%程度の下落を記録する所も出てくるという見通しです。
この売上税は、シンガポールで昨年末導入された印紙税増税と全く同じ施策です。(期間、税率までまったく同じです)
香港同様、低金利でバブルが続いていた台湾ですが、中国、香港、シンガポールと同様不動産価格抑制策により、ようやく価格上昇傾向に終止符が打たれそうです。
また、一方イギリスでは、むしろ売値が上がっているという記事です。
British home sellers raise prices again on shortage of properties
英国の住宅の売り手は、供給不足の中価格を再び上げている
以前のこのブログでも、イギリス特にロンドンの不動産は今年はまさに買い時で、価格は次第に上昇基調に入ると申し上げているように、今年に入り3ヶ月連続で中古価格が上昇を記録しています。
やはり恒常的な住宅の需給ギャップが有るイギリスでは、銀行の貸し出し姿勢が積極的になりつつ有ることから、昨年第2四半期に、財政再建による景気悪化が懸念され、不動産価格が下落に向かいましたが、どうやらこの調整も一時的に終わりそうです。
やはり、恒常的な住宅不足と、歴史的な低金利が続いている英国では、財政再建が進むにつれ、不動産への関心が高まることは必然です。
近年、新興国に向かっていた、マネーがそろそろユーロやポンドに向かい始めると思いますが、皆さんどう思われますか?
私は、昨年の後半からポンド、ユーロ、ドルの割合を増やし始めました。円高の今、日本人の皆様は是非、ご検討ください。
私は、現在は既に円はほとんど持っていませんので、皆様がうらやましい限りです。